たそがれに立つ女人の旅 - 기행문 [紀行文]
數年前の秋の旅を綴ったのが見つかりました. 暇つぶしにでも讀んでください.
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熟年の女人40名が一臺のバスに身を委ねる.
あえて卒業50年を控えての記念旅行とタグ(tag)を付ける必要がどこにあろう.
ただ懷かしい顔を見つめ合い, 大自然の中でよもやま話でも交そうとの旅であるものを....
ハンドバッグをごそごそやり, 出てきたチョコレ-トやドロップなどを前後に配る.
それを子供のように口の中でころがしながら, 止めどなくしゃべっていると, いつの間に
最初の目的地, 尹奉吉義士の生家と記念館にたどり着いた.
モノト-ンのあの時代の寫眞を眺めるうちに, なにやら熱いものが喉へこみあがる.
それにしても, 國を奪われた悔しさや, 戰爭の慘憺さを體驗してない若者達が,
この記念館で何を感じ取ることだろう....
修德寺への入口で晝食に山菜ビビンパ正食をとったが, カナダから飛んで來て
合流した友は, 傍目にも驚きあきれる程, 數えきれない山の幸を片っ端から
平らげる. 忘れていた母の味でも思い出したにちがいない.
ビニ-ルに被われた2∼3棟の朽ちた建物が, 今だにくずれ落ちそうな格好を
したまま放置されているのには啞然とする. 一體, 文化財管理部や寺刹側は
どんなつもりなんだろう...
罪を犯した覺えなど無くとも, 四天王のカッと見開いた恐しい目に怖じ氣立ち,
すばやく山門をくぐる.
天まで續く石段を昇らねばならない.
色もあざやかに彩色を施した新寺や, 金メッキできらきらする, 立てて間もない
石塔が無かったら, 昔のままの大雄殿と三層石塔は, より奧深い情趣を釀し出したで
あろうに..... しかし, ほとけの前で兩手を合わせ, 頭をさげてる私をみれば,
亡き高僧らの魂が寺中に漂っている名刹には間違いないようだ.
長さ7,310メ-トルの西海大橋を走るこの壯快さ! 海のはるか彼方に果てし無く擴がる
干潟田には, 黃金色に輝く稻穗が秋風に波打つ.
橋の途中でバスから降りた. そして人間の限りない力を再度目で確かめつつ,
深呼吸する.
安眠島のロッテオ-シャンキャッスルへ向う道路の端にはコスモスがなびき,
所所すずきの群が搖れる. 安眠島全體を松の木が取り卷いていると聞いたが,
ほんとに松林が限りなく續く. 幹が赤いのは赤松だろうか? 何はともあれ,
これ程美事に伸びた松でぎっしり詰っている林を初めて見る私は, 馬鹿みたいに
同じ歎詞を繰り返えした.
海水サウナがどれくらい身體に良いかは別にして, 風呂好きな年輩だけにみんな
浴場につめかける. 誰の身もいびつになってしまったからには恥じることも
あるまい. 廣い浴槽の中で, 沸き出すジャグジ-を樂しみ, 間違ってすべっても
したら大變と互いに支え合いながら, 年甲斐もなくキャッキャッと騷ぎたてる.
海水で老いを洗い落したからだろうか, おめかしして晩餐に現われた仲間達は20年も
若がえり, いきいきしていた.
遠くカナダから參加した親友を正式に紹介した後, 會長のあいさつがあり, 母校の
博物館新築に關する說明が續いた. 誰よりも雄辯なわが會長といえども,
資金カンパの呼掛けは苦手とみえ, どもりがちにぼそぼそと訴える. それでも效果は
充分あった樣子, 御苦勞さまでした.
朝早く海邊に出た. 砂の粒が粉のようで, 前にさし出した友の指先から瞬く間に
消えてしまう. 砂はまに出來た小さな穴をのぞきながら, もしや中にたこでも..?
と, つぶやく友の瞳から私は遠い昔の茶目っ氣を見た.
ぽつりぽつり, 雨のしずくで散步を切りあげ, 部屋にもどったが,
いつ止んだのか, うそのように秋空は高く, 目にしみる程靑い.
朝から風が出て, 樂しみにしていた泰安海岸國立公園をひと廻りする遊覽船乘りは
泡になるな, と諦めていたのが, いざ新珍島安興外港に着いてみると, 遊覽船の運行に,
これくらいの風など何の妨げにもならぬとの事, 私達40名, 一つの船に上った.
案內孃の詳しい說明と共に, 目の前に近付く奇巖や, ユニ-クな形をした小さな島を
眺める一方で, 舟醉いする仲間らが, 船が搖れる度にぎゃぁ-と叫び聲をあげる.
それとはうらはらに, 音樂のリズムに合わせて身を振る友もいて, 周りのものが一齊に
手拍子を打ち盛り上る....
しかし, わが遊覽船は, 波を後に背負って走るコ-スを取り, はやばやと引きあげて
しまうしかなかった.
中食を最後にスケジュ-ル終り, というから, 急くことはないのだが, それにしても,
刺身屋の食事の支度は, いやにのろのろしてる. 新鮮な刺身だけたっぷり運んでくれば
良いものを, 雜多なおかずがどうしてこうも次次と竝ぶのだろう...
ガスバ-ナ-でメウンタンをぐつぐつ煮ながら,ご飯食べ終るまで2時間はかかったようだ.
いつも歸りのバス內は靜かになる. 來年の秋を約束するが, 思うように動いてくれない
體を, どうなだめすかすことやら....
ソウルが近付くと, みんなで聲を合せ, 'マンナム(メグリアイ)'を歌いながら
名殘りを惜しんだ. (2001年 10月)
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熟年の女人40名が一臺のバスに身を委ねる.
あえて卒業50年を控えての記念旅行とタグ(tag)を付ける必要がどこにあろう.
ただ懷かしい顔を見つめ合い, 大自然の中でよもやま話でも交そうとの旅であるものを....
ハンドバッグをごそごそやり, 出てきたチョコレ-トやドロップなどを前後に配る.
それを子供のように口の中でころがしながら, 止めどなくしゃべっていると, いつの間に
最初の目的地, 尹奉吉義士の生家と記念館にたどり着いた.
モノト-ンのあの時代の寫眞を眺めるうちに, なにやら熱いものが喉へこみあがる.
それにしても, 國を奪われた悔しさや, 戰爭の慘憺さを體驗してない若者達が,
この記念館で何を感じ取ることだろう....
修德寺への入口で晝食に山菜ビビンパ正食をとったが, カナダから飛んで來て
合流した友は, 傍目にも驚きあきれる程, 數えきれない山の幸を片っ端から
平らげる. 忘れていた母の味でも思い出したにちがいない.
ビニ-ルに被われた2∼3棟の朽ちた建物が, 今だにくずれ落ちそうな格好を
したまま放置されているのには啞然とする. 一體, 文化財管理部や寺刹側は
どんなつもりなんだろう...
罪を犯した覺えなど無くとも, 四天王のカッと見開いた恐しい目に怖じ氣立ち,
すばやく山門をくぐる.
天まで續く石段を昇らねばならない.
色もあざやかに彩色を施した新寺や, 金メッキできらきらする, 立てて間もない
石塔が無かったら, 昔のままの大雄殿と三層石塔は, より奧深い情趣を釀し出したで
あろうに..... しかし, ほとけの前で兩手を合わせ, 頭をさげてる私をみれば,
亡き高僧らの魂が寺中に漂っている名刹には間違いないようだ.
長さ7,310メ-トルの西海大橋を走るこの壯快さ! 海のはるか彼方に果てし無く擴がる
干潟田には, 黃金色に輝く稻穗が秋風に波打つ.
橋の途中でバスから降りた. そして人間の限りない力を再度目で確かめつつ,
深呼吸する.
安眠島のロッテオ-シャンキャッスルへ向う道路の端にはコスモスがなびき,
所所すずきの群が搖れる. 安眠島全體を松の木が取り卷いていると聞いたが,
ほんとに松林が限りなく續く. 幹が赤いのは赤松だろうか? 何はともあれ,
これ程美事に伸びた松でぎっしり詰っている林を初めて見る私は, 馬鹿みたいに
同じ歎詞を繰り返えした.
海水サウナがどれくらい身體に良いかは別にして, 風呂好きな年輩だけにみんな
浴場につめかける. 誰の身もいびつになってしまったからには恥じることも
あるまい. 廣い浴槽の中で, 沸き出すジャグジ-を樂しみ, 間違ってすべっても
したら大變と互いに支え合いながら, 年甲斐もなくキャッキャッと騷ぎたてる.
海水で老いを洗い落したからだろうか, おめかしして晩餐に現われた仲間達は20年も
若がえり, いきいきしていた.
遠くカナダから參加した親友を正式に紹介した後, 會長のあいさつがあり, 母校の
博物館新築に關する說明が續いた. 誰よりも雄辯なわが會長といえども,
資金カンパの呼掛けは苦手とみえ, どもりがちにぼそぼそと訴える. それでも效果は
充分あった樣子, 御苦勞さまでした.
朝早く海邊に出た. 砂の粒が粉のようで, 前にさし出した友の指先から瞬く間に
消えてしまう. 砂はまに出來た小さな穴をのぞきながら, もしや中にたこでも..?
と, つぶやく友の瞳から私は遠い昔の茶目っ氣を見た.
ぽつりぽつり, 雨のしずくで散步を切りあげ, 部屋にもどったが,
いつ止んだのか, うそのように秋空は高く, 目にしみる程靑い.
朝から風が出て, 樂しみにしていた泰安海岸國立公園をひと廻りする遊覽船乘りは
泡になるな, と諦めていたのが, いざ新珍島安興外港に着いてみると, 遊覽船の運行に,
これくらいの風など何の妨げにもならぬとの事, 私達40名, 一つの船に上った.
案內孃の詳しい說明と共に, 目の前に近付く奇巖や, ユニ-クな形をした小さな島を
眺める一方で, 舟醉いする仲間らが, 船が搖れる度にぎゃぁ-と叫び聲をあげる.
それとはうらはらに, 音樂のリズムに合わせて身を振る友もいて, 周りのものが一齊に
手拍子を打ち盛り上る....
しかし, わが遊覽船は, 波を後に背負って走るコ-スを取り, はやばやと引きあげて
しまうしかなかった.
中食を最後にスケジュ-ル終り, というから, 急くことはないのだが, それにしても,
刺身屋の食事の支度は, いやにのろのろしてる. 新鮮な刺身だけたっぷり運んでくれば
良いものを, 雜多なおかずがどうしてこうも次次と竝ぶのだろう...
ガスバ-ナ-でメウンタンをぐつぐつ煮ながら,ご飯食べ終るまで2時間はかかったようだ.
いつも歸りのバス內は靜かになる. 來年の秋を約束するが, 思うように動いてくれない
體を, どうなだめすかすことやら....
ソウルが近付くと, みんなで聲を合せ, 'マンナム(メグリアイ)'を歌いながら
名殘りを惜しんだ. (2001年 10月)
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