私の日記 その十八 - 잡문 [雜文]/日本語
三月十二日
三月も中旬に入ったのに朝の温度が氷点下だなんて信じられない。
まあこれが最後の冷えだと気象庁で言うから信じてみるか。
パスポート受け取りに行く日がとっくに過ぎたので気が急き
棉入りコートをひっかけ、毛糸の帽子まで被って出かけた。
風が冷たく陰に入ると身が縮むが、日差しはぽかぽかと暖かい。
また倒れては大変と足下に神経を張ってゆっくり歩く。
こんな調子でパスポートまで延長して海外旅行へ出かけようとする
自分にあきれる。
今度役所で指紋取りながら担当者を散々困らせた。両方の人指し指の
指紋がほとんど消えてしまい何遍やっても、息を吹っ掛けて丁寧に
押してみても駄目だった。中指でなんとか通過したが心が重い。
一昨年熊本空港の入局審査の時も繰り返してやらせ、終いには
舌打しながら立ち上がり指を押さえられたりしたっけ。
若い人ならいざ知らず、この歳で犯罪でも犯す恐れがあるのかと
怒鳴りたくなるほど気持悪く、またすごく恥ずかしかった。
しかし指紋が薄れたのはどうしたことだろう。手荒い仕事を続けると
指紋がなくなると聞いてはいたが、結婚後ずっと專業主婦の役割を
適当にこなしただけで、他の主婦より手を荒く使った覚えはない。
まさか心臓病と関係有るとも思えないし。。。
子供たちのまえで嘆いたら、娘が
'ママの皮膚がとっても柔らかいからだ'と慰めてくれる。私がとぼけて、
'長年パソコンのキーボード叩いたり、マウス使ってるからかもしれないね'
と言うと側でにやにやしていた息子め、
'だったらおれの指はとうに無くなってしまっただろう'
パスポートをしまう前に載せてある証明写真をもう一度眺めながら
なんと貧弱な老いぼればばあだろうと思わず舌打する。