纖細な裝飾を作る先祖の手先 - 螺鈿漆器   -   민속문양 [民俗紋樣]

      


屋根から壁, 窓わくまで, 均衡の取れた造形美を成している韓國屋敷の各部屋もまた,それにマッチする家具と工藝品で裝飾されていた.
部屋を飾る代表的傳統家具工藝品が, 則ち螺鈿漆器. 漆器は東洋獨特の工藝器物で,漆器製作材料の漆木を探せなかった西洋に對し, 東洋の古代人は, 早くもこの樹を發見し,西洋では見られなぴ洋特有の漆器藝術を, 4000年前から生み出したのである.
中國文化の影響を受けた古代の韓國と日本は,漆工藝を今日まで續け, 發展させた. 長い歲月を經て多樣な技術的變化を創出した. 自然から得る工藝材料の中で,貝殼のあざやかな色を活用した裝飾が最高と呼ばれた. この美しさをかもしだすため,絶え間なく工夫, 開發させて來たのが東洋特産の螺鈿漆器である.
高麗王朝では, この技術を國寶に指定する程, 纖細な貝細工の漆工藝品は貴重された. 

                


螺鈿漆器は,あわびやさざえ, 眞珠貝等の殼を薄く切って加工し,いろんな品物に附着させた後,漆塗りでまとめた品物のことで, いわば深海と綠の森が結合して完成された逸品と言える.
主にたんす, 螺鈿茶卓, 工藝品等を製作し, 紋樣には龍虎圖, 十長生, 草花等を利用した.
高麗時代最も旺盛に製造された螺鈿漆器は,佛敎關聯書籍や品物等を保管する箱だったが, 朝鮮時代に到り, 三層たんす, 小たんす, たびたんす等を始め,書齋用すみ硯箱,机, 筆さし, 眼鏡ケ-ス等,日常道具類にまで螺鈿漆器工藝を取り入れることで, 自自の權威や品位を誇示した. 一方, 女人達が起居する閨房では,化粧臺, 文匣, 裁縫箱, 物差し, 絲卷きなども使用して優雅で華やいだ文化を樂しんだ.

                


高麗時代の螺鈿漆器と雙璧をなす朝鮮時代王室工藝の華角工藝は,わが國固有の工藝技法で, 韓國工藝の特性を最もよく現わした技法である. 華角は,紙のように薄く削った牛角の上に樣樣な畵を描いて色を塗り, 木製櫃, 箱, たんす等の表面に張ってきれいに裝飾したものを指す.
華角工藝は高麗時代から始まったと傳えるが,それに似た技法はすでに南北國時代から發達したようだ.              


華角に描かれた繪は,特定な規則にとらわれず,自由奔放な形を取っている. 赤, 靑, 黃, 黑, 白の5色を基本にし, 十長生をはじめ雲龍,松虎,花鳥,天桃,花卉,瑞獸,四君子等,象徵物や自然物を描き入れた.
華角工藝品は,纖細な技法はもとより, 可愛いらしさや華やかで可愛いらしい模樣を以て, 一層女性達にアピ-ルした.