二月のドドイツ

* さ・む・つ・き (寒月） 2月1日

   酒は涙か　　　　息子が唄い　　　　　次は親父の　　 君恋し

   散歩途中に　　　　無口な彼が　　　月を仰いで　　　　‘きれいだな’　

   先に届いた　　　　娘のオーダー　　　　次の配達　　　　気が急くわ

   覚めた途端に　　　　むっくり起きる　　　辛い夢見て　　　　気味悪い

* は・る・た・つ (春立つ）　　2月6日　　　

   橋の向うは　　ルックが凄い　　高いビルなど　　詰まってる　　

   速いテンポの　　ルンバを踊る　　確かプロだな　　つい唸る

   初の外遊　　ルルララ歌う　　タイへ出発　　連れ合いと　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

* な・か・よ・し（仲良し） 2月11日

長い冬日に　　風邪気味続き　　横になってる　　しんどいな

夏が恋しい 　帰りに唸る　　よほど寒くて　　しょげている　　　　　　　　　　　　　　　　　

涙拭くふり　 可憐に見せて　　弱い声出し　　白を切る

何故かしきりに　　母ちゃん呻く　　夜になったら　　沈むかな　　　　　　　　

　　　　　　　　　

* と・も・だ・ち（友達） 2月16日

  遠く離れた　　モナコはどうだ　　旦那誘うが　　ちと迷う　

  歳の所為かな　　もたもたしてて　 　駄目だつぶやく　　父の声

  所かまわず　　猛烈仕種　 　誰も恐れて　　縮こまる　　

  特に今夜は　　朦朧してて　　黙り込んでた　　力無く

　

* は・な・た・ば（花束） 　2月21日

  花も嵐も　　仲よく歌い　　互い手を打つ　　バスの中　

  春は何時来る　　長引く冬に　　ため息吐いた　　婆だった　　　　　

  橋のたもとで　　涙を流し　　たばこ吸ってる　　馬鹿なやつ　

  話始めば　　長々続く　　たしか今度も　　晩までだ　　　　　　　　　　　　　　　　

 

* す・か・あ・ふ（スカーフ） 2月25日

  少し休もう　　帰りの道で　　喘ぎ頼むは　　太っちょで　

  すらり廻転　　彼氏の仕種　　あまり巧くて　　不思議がる　　

  凄いやつだよ　　可憐に見えて　　相手構わず　　吹っ飛ばす　　

  過ぎた事など　　母さん話し　　兄を忍ぶは　　冬の夜