十月の都都逸
ひ・ま・わ・り 10/1
ひとつ摘んだ 真っ赤な林檎 私貰うわ 両手出し
暇な時など 学べよパソコン 若さ保てる 理想的
開き直って 真面目に挑む わりと巧いね 利口な児
一人旅して 迷わず帰り 笑って報告 立派だな
あ・き・さ・め(秋雨) 10/6
秋の風受け きれいに靡く 咲いたコスモス 目の保養
あまりしっこく 聞き出す謂れ 匙を投げたよ 面倒で
紅い睡蓮 きちんと歌う さすが巧いよ めんこい娘
明日の昼飯 決めたが如何? さっと炒めた 麺料理
お・つ・き・み(お月見)10/11
丘に登って 月夜を仰ぎ 君を偲んで 身悶えし
親が残した つれあい写真 昨日探して 見入ってる
踊りまくって 疲れた彼女 きゃっと尻餅 皆笑う
重い腰では つまずき易い きつい坂だよ 見過ごそう
あ・き・の・よ(秋の夜) 10/16
淡い外灯 気になる小道 軒にぽとぽと 夜の雨
余る仕事は 君等にまかす 後に確認 よく済せ
赤い頬した キュートな女子 のぼせ上がって よろめいて
明日の予定を きれいに忘れ のびてしまった 酔いしれて
り・ょ・そ・う (旅装) 10/21
両手繋いで 夜道を歩く 空にちらほら 浮かぶ星
林檎ジュースに 洋食いかが それは最高 うんと食おう
理解出来ない 洋書は駄目だ そっとため息 うなだれる
料理巧いと 呼ばれて来たが 側の手伝い 浮かぬ顔
た・い・ふ・う (台風) 10/26
高い所で 一気に飛んで ふらりよろめき 呻く彼
タイムマシーンで 一度に戻り 二人出会えば 嬉しいが
宝物だと 威張っているが ふんと笑った 自惚れに
旅の予定は いつ頃なんだ 不意に聞かれて 後ろ向く