잡문 [雜文]/日本語

話にもならない言い譯

yoohyun 2004. 3. 19. 21:40
私はものを買う際, 高額紙幣で代金を拂う惡い癖がある.
從って,がまぐちの中にはいつも小錢がいっぱいだ.
外出から歸ると私はまずその小錢を鏡臺の上の小さな器に開ける.
すると子供達がそれで煙草や, ら-めん, ドロップ等を買うため取って行く.
細かい金が要る時, 手を入れるだけで濟むから,それなりに便利だと言えぬこともない.

去年の春,日本へ旅行に出掛けた時の事である.
紙幣だけ使う癖が,外國だからと言って變るはず無いので,安い紀念品一つ求めても
紙幣で拂い續けるうち, 束の間に小錢ががまぐちの外にはみ出しそうになった.
あっけに取られるのはさておき, この重たい鐵塊りを, どう處分したものかと
惱んでいるうちに,一つの妙案が浮んだ.

まず, 數軒の店をのぞきまわり, 客のまれな店に入った.
私はチョコレ-トやガム,あられ,ピ-ナッツなどを少しづず選んで
カウンタ-に行き,小錢を手のひらに分けて主人の鼻先につき出した.
瞬間, 實に感歎すべき事が起ったのである.
主人は滿面に微笑をたたえ,私の手のひらから1円玉を全部取り出し,xx円ね,
と確かめ, 次には5円玉, その次は10円玉, こんな具合に勘定を續けるではないか!
ほぼ100円玉だけがぽつんと殘っている手のひらを眺めながら,私は
おもわず, すごい!とつぶやいてしまった.
もう一度試して見たい衝動が頭をもたげる.
今度は文具店に入りボ-ルペンと娘が喜びそうな小物をいろいろ選んだ.
殘りの小錢全部を取り出して,勘定臺の上に置いた.
結果は前と少しも違わなかった. ああ, これだから日本は富國になったのだ,
私の頭はとんでもない所まで飛躍した.

歸國した後, 私はこの方法をわが國で使ってみた.
反應はまちまちだった. 顔をしかめていや味を言う人, だまって500ウォン玉から
取り上げる人, 露骨に腹を立てる人... まれに微笑みながら細いものから摘みあげる
可愛いい小娘も居た.
この慌しい世の中で, 自分だけ樂になろうと, あんな面倒な事を他人に押しつけるのは
もってのほかだと,言う人も居るだろう.
しかし, 百貨店や市場であれこれ買いこむうちに貰ったおつりで小錢がどんどん
增えるのは事實だし,荷物まで膨れあがると,一方の手だけでお金を取り出し,
きちんと拂うには手品師みたいな藝が必要だ.
と言うわけで高額紙幣のみ使用する惡い癖がついたと言ったら,
それはまったく話にもならない言い譯であろうか.            
                        
                                          (1995年某百貨店の社報に揭載)